11月 忘れていた事を走馬灯のように浮かぶ

11/XX
通勤途中にある出来事に遭遇する。
隣の吊り革に捕まっていた女性がずっと咳をしていた。ちょっと嫌だなぁと思い、一つずれる私。
しばらくすると静かに女性は倒れた。女性の後ろにいた人や隣にいた男性が支える。座席にいた人達が席を開けて女性を座らせる。電車は駅に停まり、女性は何事もなかったかのように降りて行った。
私はきちんと助けてあげられない自分の不甲斐なさと幼き頃のトラウマで倒れている人を見ると尋常じゃない汗と目眩がしてしまう。このままでは自分が倒れると思い、舌を甘噛みし、何とか意識を保った。この日はずっとこの出来事を引きずってしまった。思い出さなくて良い事まで思い出してしまった。夫に話すと、あなたのせいではない出来事だからクヨクヨする必要はないと言われた。

11/XX
学生時代の友人からラインが。中学の同級生(女性)の訃報だった。
あまり話した事はない。同じクラスにもなった事がないが、独特の雰囲気でヤンキーの軍団から揶揄われていたのを何度か目にした事がある。早過ぎる別れにもう何十年も思い出す事がなかった彼女を思い出した。あぁ、バスケ部だったな。生意気で先輩にも叱られていたな。でも意地悪されても意地悪をし返す子ではなかったな。
友人から届いたラインはグループラインだった。私はそっと返信したが、中には既読スルーの子もいた。それがとても悲しかった。彼女のご冥福を心よりお祈り致します。